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Amazon Aurora PostgreSQL 18.3対応とは:B-tree skip scan、pg_roaringbitmap、移行前チェック

Aurora PostgreSQL 18.3移行前に性能、拡張、TLS、費用を確認する図

追記: 2026年6月17日の最新情報

2026年6月17日時点で、AWS公式のAurora PostgreSQLリリースカレンダーでは、Aurora PostgreSQL 18.3のAuroraリリース日が2026年6月11日、標準サポート終了日が2027年11月30日と示されています。18.3を採用候補にする場合は、B-tree skip scanやpg_roaringbitmapなどの機能検証だけでなく、標準サポート期限、既存17系/16系のLTS・標準サポート期限、RDS Extended Support料金の対象時期を同じ表で確認してから移行計画を組むのが安全です。

また、18.3のリリースノートでは、ssl_tls13_ciphersenable_eager_aggregateなどの設定差分に加え、Aurora独自の非同期I/O実装により、community AIO GUCのio_methodio_workersio_max_concurrencyはAurora PostgreSQLでは利用できない旨も案内されています。自己管理PostgreSQL 18の手順をそのまま持ち込まず、Aurora PostgreSQL 18.3のリリースノート公式リリースカレンダーを基準に検証項目を作ってください。

このテーマをもう少し広げて見るなら、Amazon RDS for SQL Server BYOMとは:既存ライセンス移行で確認すべき料金・地域・制約AWS FinOps Agentプレビューとは:異常コスト調査をAIエージェント化する前に確認すべきこと も合わせて確認してください。データベース移行で、機能差分だけでなく既存資産、料金、制約を並べて確認する視点が近いため。

3行まとめ

VisualAurora PostgreSQL 18.3判断の3点新機能、移行方式、費用とサポート期限を分けて確認する。
18.3から確認

Aurora PostgreSQL-Compatible EditionでPostgreSQL 18を使う入口として、最初に18.3を確認する。

効く条件を見る

B-tree skip scan、Eager aggregation、pg_roaringbitmap、論理レプリケーションは、対象ワークロードに合うかを検証する。

移行計画で決める

接続クライアント、パラメータグループ、サポート期限、Auroraの料金項目をそろえて判断する。

18.3は自動的な性能改善や費用削減ではなく、検証する価値がある候補として扱う。

  • AWSは2026年6月11日、Amazon Aurora PostgreSQL-Compatible EditionがPostgreSQL 18をサポートし、最初の対応版がAurora PostgreSQL 18.3であると発表しました。
  • 注目点は、B-tree skip scan、pg_roaringbitmap、Eager aggregation、TLS/暗号パラメータ、論理レプリケーション改善、移行方式の選び方です。
  • ただし、性能や費用が自動的に良くなる話ではありません。既存クエリ、拡張、接続クライアント、サポート期限、Aurora Standard/I/O-Optimizedの料金差を検証してから判断します。

Amazon Aurora PostgreSQL 18.3は、PostgreSQL 18系をAuroraで使いたいチームにとって最初に見るべき公式対応版です。AWSの発表では、Aurora PostgreSQL-Compatible EditionがPostgreSQL 18を18.3からサポートし、Aurora PostgreSQL 18.3は商用AWSリージョンとAWS GovCloud (US)リージョンで利用できるとされています。

この記事では、発表文をそのまま要約するのではなく、既存のAurora PostgreSQL利用者が「今すぐ検証すべきか」「次のマイナー版まで待つべきか」「現行版を延命するなら何を見落としやすいか」を判断するために整理します。2026年6月のAmazon/AWS関連更新を追う場合は、固定ページの<a href="https://amzn-watch.blog.mo-gmo.com/monthly-topics-2026-06/" rel="noopener">Amazon 2026年6月重要トピックまとめ</a>も合わせて確認してください。

Aurora PostgreSQL 18.3対応で何が変わったのか

Visual18.3で確認する主な変更点AWS発表とリリースノートで見るべき項目を、移行判断の入口として整理する。
PostgreSQL 18対応

AWSは2026年6月11日に、Aurora PostgreSQLがPostgreSQL 18を18.3からサポートすると発表した。

性能関連

B-tree skip scan、optimizer statistics、Eager aggregation、論理レプリケーション改善を代表クエリで確認する。

拡張

pg_roaringbitmapは、大量の整数集合を扱う処理で検証候補になる。

TLSと暗号

ssl_tls13_ciphers、ssl_groups、暗号リスト更新がクライアント接続に影響しないかを見る。

移行方式

Blue/Green deployments、インプレースアップグレード、スナップショット復元を停止時間と切り戻しで比べる。

発表内容だけで本番移行を決めず、既存構成・拡張・接続経路に落として確認する。

Aurora PostgreSQL 18.3は、単なる番号更新ではなく、PostgreSQL 18の機能をAuroraの運用モデルへ持ち込むための入口です。AWS What's Newの発表では、PostgreSQL 18対応、B-tree skip scan、pg_roaringbitmap、optimizer statistics、論理レプリケーション、アップグレード方式がまとめて示されています。

AWS発表で確認できる範囲

根拠

AWSの公式発表日は2026年6月11日です。発表文では、Aurora PostgreSQL-Compatible EditionがPostgreSQL 18をサポートし、対応は18.3から始まると説明されています。あわせて、Aurora PostgreSQL 18.3は全商用AWSリージョンとAWS GovCloud (US)リージョンで利用できるとされています。

リリースノート側では、Aurora PostgreSQL 18.3がPostgreSQL 18.3互換であること、TLS v1.3関連のssl_tls13_ciphers、TLS鍵交換曲線を扱うssl_groups、既定および許可暗号リストの更新、Eager aggregation、安定性修正、セキュリティ修正が確認できます。

注意点

PostgreSQL 18の記事や資料で見かける機能が、すべてAuroraで同じように使えるとは限りません。Aurora PostgreSQL 18.3のリリースノートでは、io_methodio_workersio_max_concurrencyはAuroraでは利用できず、Aurora独自の非同期I/O実装を使うと説明されています。

つまり、読む順番は「PostgreSQL 18の一般機能」より先に「Aurora PostgreSQL 18.3のリリースノート」です。設定値をそのまま持ち込む前に、Auroraで有効なパラメータか、対象リージョンで使えるか、既存のDBクラスやパラメータグループと衝突しないかを確認します。

既存ユーザーが先に見るべき変更

確認項目

まず見るべき変更点は、次の5つです。

論点何を見るかすぐ本番へ入れない理由
B-tree skip scan複合インデックスの検索計画効く条件がクエリとデータ分布に依存する
Eager aggregationJOIN前の集計前倒し既定で有効な機能ではなくGUCで制御される
pg_roaringbitmap大量の整数集合の集合演算権限、拡張管理、既存設計との責任分界が必要
TLS/暗号ssl_tls13_ciphersssl_groups、許可暗号古いクライアントやETLツールが影響を受ける可能性がある
移行方式Blue/Green、インプレース、スナップショット復元停止時間、切り戻し、検証費用が変わる

評価基準

判断軸は「新しいから上げる」ではなく、「検証価値が明確か」です。検索性能に課題がある、集合演算をアプリケーション側で抱えている、論理レプリケーションの遅延が問題になっている、暗号要件を見直す予定がある、現行メジャーバージョンのサポート期限が近い。こうした条件があるなら、18.3の検証環境を作る価値があります。

逆に、現行版で安定していて、クライアント互換性や拡張の検証体制がまだない場合は、急いで本番アップグレードを決める段階ではありません。まずスナップショット復元やBlue/Green deploymentsで、失敗しても本番へ影響しない確認場所を作ります。

性能改善はどのワークロードで効きそうか

Visual性能改善を検証するワークロード機能名よりも、効きやすい条件と確認方法を先に置く。
項目内容見方
B-tree skip scan複合インデックスの先頭列で絞りにくく、後続列で絞るクエリが多い場合に、実行計画とI/Oを比較する。
Eager aggregationJOIN後に集計するレポート系クエリで、集計の前倒しが効くかをP95/P99とCPUで確認する。
論理レプリケーション大きなトランザクションや複製遅延が課題の構成で、ラグ、再同期、フェイルオーバー後の戻りを見る。
optimizer statisticsアップグレード前後の統計情報とANALYZE方針を確認し、速くなるクエリと遅くなるクエリを両方拾う。

性能改善はデータ分布と実行計画に依存するため、小さな検証データだけで結論を出さない。

性能改善の話は、もっとも期待が先走りやすい部分です。AWS発表ではB-tree skip scan、optimizer statistics、論理レプリケーションに触れています。リリースノートではEager aggregationも確認できます。ただし、どれも「全クエリが速くなる」という意味ではありません。

B-tree skip scanは複合インデックスの見直し候補になる

条件

B-tree skip scanは、複合B-treeインデックスの先頭列を検索条件で固定しにくいケースで検証候補になります。たとえば、先頭列の値の種類が少なく、後続列で絞り込むクエリが多い場合、従来より効率的な計画を選べる可能性があります。

ただし、これは実データと統計情報に強く依存します。小さな検証データ、古い統計情報、偏ったテストクエリだけで判断すると、本番で期待と違う結果になりがちです。

注意点

インデックスを減らせるかもしれない、という発想は最後に回します。先に確認するのは、代表クエリのEXPLAINpg_stat_statements、読み取りI/O、CPU、P95/P99の応答時間です。アップグレード後の計画が変わる場合、速くなるクエリだけでなく、遅くなるクエリも拾います。

特に、複数の複合インデックスで微妙に用途を分けているシステムでは、B-tree skip scanの有無だけで設計を整理しない方が無難です。実行計画と負荷を見て、削るなら段階的に進めます。

Eager aggregationは集計とJOINが絡むクエリで見る

根拠

Aurora PostgreSQL 18.3のリリースノートでは、Eager aggregationのサポートが追加されたと説明されています。これは集計をJOINの前へ押し出すことでクエリ性能を改善する狙いの機能で、enable_eager_aggregatemin_eager_agg_group_sizeで制御されます。リリースノート上では、enable_eager_aggregateの既定値はOFF、min_eager_agg_group_sizeの既定値は8とされています。

確認項目

検証対象は、JOIN後に集計するレポート系クエリ、ダッシュボード用クエリ、集計バッチです。比較する項目は、実行計画、JOIN順、集計対象のグループ数、メモリ使用、テンポラリファイル、応答時間です。

Eager aggregationは、使えば必ず良いという機能ではありません。クエリごとに効き方が変わるので、対象クエリを絞り、GUCを切り替えた比較を残しておくと判断しやすくなります。

論理レプリケーションと統計情報は表現差に注意する

根拠

AWS What's Newでは、PostgreSQL 18が大きなトランザクションを並列にストリーミングできるようになり、論理レプリケーションの遅延を減らして下流システムをより新しい状態に保ちやすくなると説明されています。CDC、検索インデックス更新、データウェアハウス連携などで、大きなトランザクションが遅延要因になっているなら検証価値があります。

同じ発表では、メジャーバージョンアップ時にoptimizer statisticsを保持し、アップグレード直後の性能を安定させる趣旨の説明もあります。

公開前確認

ここで注意したいのは、Auroraの一般的なメジャーバージョンアップ手順では、アップグレード後にANALYZEを実行してpg_statisticを更新する推奨が残っていることです。発表文のPostgreSQL 18機能説明と、Aurora User Guideの一般手順を混同しない方が安全です。

本番計画では、18.3の検証クラスタで統計情報、実行計画、ANALYZEの所要時間を確認し、アップグレード直後にどの程度の保守作業を入れるかを決めます。統計情報が保持されるという表現だけを根拠に、アップグレード後の確認を省略しないことが大事です。

検証はベンチマークより差分観察を優先する

評価基準

見るべき数字は、単純な平均応答時間だけではありません。P95/P99、読み取りI/O、CPU、メモリ、ロック待ち、テンポラリファイル、レプリケーションラグ、フェイルオーバー後の回復、接続プールの挙動をセットで見ます。

確認項目

短い確認コマンドとしては、次のような材料を残します。ここでは実行例の形だけを示します。対象テーブル名、権限、実行負荷は自社環境に合わせてください。

EXPLAIN (ANALYZE, BUFFERS)
SELECT ...
;

SELECT query, calls, mean_exec_time, rows
FROM pg_stat_statements
ORDER BY mean_exec_time DESC
LIMIT 20;

検証環境の作成や料金の見方を別記事で補助したい場合は、<a href="https://amzn-watch.blog.mo-gmo.com/amzn-37-cost-explorer-amazon-q-cost-explanations/" rel="noopener">AWS Cost ExplorerのAmazon Qコスト説明とは:異常コスト調査と分けて確認すべきこと</a>も参考になります。Aurora移行後の費用変化を、性能検証と切り離して追う視点が得られます。

pg_roaringbitmapを使う前に確認すること

Visualpg_roaringbitmap採用前の確認軸大量の整数集合を扱う処理だけを、拡張導入の候補として切り出す。
向いている処理

ユーザーID、商品ID、タグID、権限ID、セグメントIDの和集合・積集合・差集合を頻繁に扱う。

導入理由

アプリケーション側の配列、一時テーブル、通信量、メモリ負荷が運用上の課題になっている。

確認する条件

対象リージョン、Aurora PostgreSQL 18.3、権限、既存拡張、バックアップ、復元、監視との組み合わせを見る。

見送るケース

集合が小さい、更新頻度が低い、通常のJOINやインデックスで十分な場合は、拡張導入を急がない。

pg_roaringbitmapは便利な選択肢だが、データベース内に集合演算を寄せる設計判断も一緒に必要になる。

pg_roaringbitmapは、今回の発表で実装判断に直結しやすい拡張です。AWS発表では、大量の整数集合に対して高速でメモリ効率の良い集合演算を行う拡張として紹介されています。ユースケース例として、オーディエンスセグメンテーション、タグベースの絞り込み、権限チェックが挙げられています。

向いているのは大量の整数集合を扱う処理

根拠

大量のID集合を扱う処理は、アプリケーション側で配列や一時テーブルを持つと、通信量、メモリ、処理責任が膨らみます。pg_roaringbitmapは、そうした集合演算をデータベース側で扱う候補です。

たとえば、ユーザーID、商品ID、権限ID、タグID、セグメントIDを大量に扱い、和集合、積集合、差集合を頻繁に使うなら、検証対象に入ります。

条件

候補になるのは、単純なJOINや通常のインデックスだけでは扱いづらい規模の集合演算があり、DB内にロジックを寄せることが運用上受け入れられる場合です。小さな集合、更新頻度が低い集計、アプリケーション側で十分に処理できているロジックなら、拡張導入の利点は小さくなります。

拡張は使えるかどうかを先に確認する

確認項目

最初に確認するのは、次のような項目です。

項目確認内容
拡張の可用性検証クラスタでpg_available_extensionsを確認する
権限CREATE EXTENSIONに必要なロールと運用権限を決める
バックアップスナップショット復元後に拡張とデータが期待どおり扱えるか確認する
レプリケーション論理レプリケーションや周辺ツールとの相性を見る
監査DB内に寄せた集合演算の責任範囲を設計書に残す

注意点

リリース直後の拡張は、対象リージョン、エンジンバージョン、既存拡張、ORM、マイグレーションツール、監査ツールとの組み合わせで確認します。発表文に登場したからといって、本番採用できる設計がすぐ固まるわけではありません。

アプリケーション層との責任分界を決める

上振れ

DB内で集合演算を閉じられるなら、アプリケーションへの転送量や後処理を減らせる可能性があります。特に、同じ集合を複数サービスで使っている場合、DB側に寄せることで処理の一貫性を保ちやすくなることがあります。

下振れ

一方で、拡張に依存したSQLは移植性が下がります。アプリケーション側のテストだけでは不十分になり、DBマイグレーション、ロール管理、監査、バックアップ復元テストまでセットで見る必要があります。便利そうだから採用するのではなく、既存設計の痛みがはっきりしている場合に絞るのがよいでしょう。

TLS・暗号・パラメータグループの確認

VisualTLSとパラメータグループの確認表18.3で見る設定、影響する接続元、検証方法を分けて確認する。
項目内容見方
ssl_tls13_ciphersTLS v1.3暗号スイートを管理している場合、既定値、許可値、監査要件、接続クライアントの対応を見る。
ssl_groupsTLS鍵交換曲線の設定として、旧バージョンのssl_ecdh_curve相当の扱いと新しい値を確認する。
カスタムパラメータグループ新しいエンジン版向けに作成し、存在しないパラメータや既定値の変化をそのまま持ち込まない。
接続元の確認アプリケーション、BI、ETL、バッチ、接続プール、監視ツールのTLS接続を検証環境で試す。

暗号設定はセキュリティだけでなく、古いクライアントや周辺ツールの接続可否にも影響する。

Aurora PostgreSQL 18.3では、セキュリティまわりも移行前の確認対象です。リリースノートでは、TLS v1.3暗号スイートを設定するssl_tls13_ciphers、TLS鍵交換曲線を設定するssl_groups、既定および許可暗号リストの更新が示されています。

ssl_tls13_ciphersssl_groupsを確認する

根拠

ssl_groupsは、以前の主要バージョンにおけるssl_ecdh_curveに相当するパラメータとして説明されています。TLS v1.3対応や暗号設定を厳密に管理しているシステムでは、パラメータ名、既定値、許可値、クライアント側の対応を確認する必要があります。

注意点

カスタムパラメータグループを使っている場合、メジャーバージョンアップ時に新しいエンジン版向けのパラメータグループを準備します。ここで古い設定をそのままコピーすると、存在しないパラメータ、既定値の変化、許可値の違いを見落とすことがあります。

接続テストはアプリケーション本体だけで足りません。BIツール、ETL、バッチ、踏み台、運用スクリプト、監視エージェント、接続プールも含めて確認します。

暗号リスト更新とFIPS要件を見る

条件

金融、公共、医療、監査対象のシステムでは、暗号リストの更新を「セキュリティが良くなった」で済ませず、要件に照らして確認します。FIPS準拠、社内標準、証明書更新、クライアントライブラリ、接続文字列、Secrets ManagerやIAM認証の運用を合わせて見ます。

確認項目

移行前のチェックリストには、少なくとも次の項目を入れます。

  • アプリケーションのPostgreSQLドライバがTLS v1.3と対象暗号に対応しているか
  • 接続プールやプロキシが新しい暗号設定で接続できるか
  • ETLやBIツールが同じ接続条件で動くか
  • 証明書検証を有効化している場合、証明書チェーンとホスト名検証が通るか
  • 監査ログや障害時ログに、暗号・接続エラーの原因を追える情報が残るか

Auroraで使えないコミュニティAIO GUCを誤解しない

根拠

PostgreSQL 18の一般記事では、非同期I/O関連のGUCが話題になりやすいはずです。ただし、Aurora PostgreSQL 18.3のリリースノートでは、io_methodio_workersio_max_concurrencyはAurora PostgreSQLでは利用できないと明記されています。

注意点

Auroraは独自のストレージとI/O実装を持つため、コミュニティ版PostgreSQL向けの設定変更をそのまま移植しない方が安全です。性能検証では、Auroraで利用できるパラメータ、インスタンスクラス、Aurora Standard/I/O-Optimized、ワークロード特性を分けて見ます。

移行方式をどう選ぶか

VisualAurora PostgreSQL 18.3移行方式の選び方停止許容時間、切り替え前検証、切り戻しの重さで方式を絞る。
  1. 1切り替え前に見たい

    本番に近いGreen環境で接続、性能、パラメータ、監視を確認したい場合はBlue/Green deploymentsを検討する。

  2. 2手順を短くしたい

    停止時間を許容でき、戻し方を事前に決められる場合はインプレースアップグレードを候補にする。

  3. 3まず比較したい

    本番移行前に18.3環境を作り、代表クエリや接続互換性を比べる場合はスナップショット復元を使う。

  4. 4共通の前提

    パラメータグループ、拡張、無効なデータベース、prepared transaction、reg*型、ANALYZE方針を確認する。

どの方式も構成によって制約が変わるため、実行手順の前に対象クラスタで使えるかを確認する。

AWS発表では、Aurora PostgreSQL 18.3へのアップグレード方法として、RDS Blue/Green deployments、インプレースアップグレード、スナップショット復元が挙げられています。どれが正解かは、停止許容時間、検証環境、切り戻し、費用、周辺システムによって変わります。

Blue/Green deploymentsは切り替え前検証を重視する場合に見る

条件

Blue/Green deploymentsは、本番に近いGreen環境でアップグレード後の挙動を確認し、切り替え前にアプリケーション接続や性能を見たい場合に候補になります。Auroraのメジャーバージョンアップでは、接続先、パラメータ、拡張、暗号設定、監視、アラートが絡むため、切り替え前に見える範囲が広いほど判断しやすくなります。

注意点

ただし、Blue/Greenにも対応構成や制約があります。すべてのクラスタ構成で期待どおり使える前提にせず、対象のAurora構成、リージョン、拡張、レプリケーション、切り替え後の戻し方を確認します。検証中のGreen環境にも費用がかかるので、期間と停止基準を決めておくことも必要です。

インプレースアップグレードは手順が短い代わりに切り戻しが重い

条件

インプレースアップグレードは、既存クラスタをその場で上げる方法です。停止許容時間が明確で、スナップショット、メンテナンスウィンドウ、復旧手順、関係者の待機体制が固まっている場合に候補になります。

確認項目

最低限、アップグレード前スナップショット、新メジャーバージョン向けパラメータグループ、無効なデータベースの有無、prepared transaction、reg*型、拡張、アプリケーション互換性、アップグレード後のANALYZEや統計情報の扱いを確認します。

切り戻しは「戻せるはず」ではなく、実際に復元にかかる時間、DNSや接続先の戻し方、データ差分の扱いまで含めて考えます。

スナップショット復元は検証環境作成と比較に使う

上振れ

スナップショット復元は、既存本番クラスタへ触れずに18.3検証環境を作る手段として使いやすい方法です。アプリケーションの接続、拡張、パラメータ、性能、暗号設定を比較しやすく、初回検証には向いています。

下振れ

一方で、本番切り替えの方式そのものではありません。復元後のデータ追随、差分反映、最終切り替え、復元先の費用、検証データの取り扱いを別に設計する必要があります。

事前チェックはAurora User Guideから拾う

確認項目

Aurora User Guideのメジャーバージョンアップ手順では、バージョン互換のパラメータグループ、無効なデータベース、open prepared transactions、reg*データ型、拡張などを事前確認する流れが示されています。アップグレード後の推奨としてはANALYZEも説明されています。

評価基準

移行リハーサルの合格条件は、「アップグレードできた」だけでは足りません。アプリケーションが接続できる、代表クエリの計画が許容範囲にある、監視が鳴る、切り戻し手順が現実的、検証費用が見積もれている。ここまで確認できて、ようやく本番日程を考えられます。

RDS移行時の料金や制約確認の考え方は、SQL Server向けの記事ですが<a href="https://amzn-watch.blog.mo-gmo.com/amzn-44-rds-sql-server-byom-license-migration-checklist/" rel="noopener">Amazon RDS for SQL Server BYOMとは:既存ライセンス移行で確認すべき料金・地域・制約</a>でも整理しています。エンジンは違っても、移行前に「料金、地域、制約」を分けて読む姿勢は共通です。

費用とサポート期限を移行計画に入れる

Visual18.3の期限と費用を同じ計画で見る標準サポート期限と検証・運用費を、移行判断の同じ表に入れる。
  1. 2026年2月26日

    Aurora PostgreSQL 18.3のCommunity release dateとして確認する。

  2. 2026年6月11日

    Aurora release dateとして、18.3対応の発表日と合わせて確認する。

  3. 2027年11月30日

    Aurora end of standard support dateとして、移行後の次回更新計画に入れる。

  4. 費用項目

    Provisioned、Serverless、Aurora Standard、I/O-Optimized、ストレージ、I/O、バックアップ、データ転送を分ける。

  5. 延命コスト

    現行バージョンのサポート期限、Extended Support、検証環境の一時費用を合わせて比較する。

費用は利用リージョン、構成、I/O量、バックアップ保持、移行期間で変わるため、単純な高い・安いで判断しない。

Aurora PostgreSQL 18.3を検証する時は、性能だけでなく、費用とサポート期限を同じ計画に入れます。検証環境を作るだけでも、インスタンス、ストレージ、I/O、バックアップ、データ転送が発生する場合があります。

18.3のサポート期限をマイナーバージョン単位で見る

根拠

Aurora PostgreSQLリリースカレンダーでは、18.3のCommunity release dateは2026年2月26日、Aurora release dateは2026年6月11日、Aurora end of standard support dateは2027年11月30日とされています。

ここで見るべきなのは、PostgreSQL 18というメジャーバージョン全体の話と、Aurora PostgreSQL 18.3というマイナーバージョンの話を分けることです。マイナー版の標準サポート期限は、移行後の次回更新計画に直結します。

注意点

現在利用中のAurora PostgreSQLメジャーバージョンが古い場合、RDS Extended Supportの対象や課金開始時期も合わせて確認します。移行を遅らせる判断にも費用があります。検証工数、延命コスト、セキュリティ修正の受け取り方を比較しましょう。

料金はエンジン変更だけで決まらない

確認項目

Auroraの料金は、エンジンバージョンだけでは決まりません。Aurora StandardかAurora I/O-Optimizedか、ProvisionedかServerlessか、インスタンスクラス、ストレージ、I/O、バックアップ、スナップショット、Global Database、データ転送で変わります。

AWSの料金ページでは、Aurora StandardはストレージとI/Oリクエストが課金対象になり、Aurora I/O-Optimizedでは読み書きI/O操作に課金されない一方、構成全体の費用はインスタンスやストレージなどの組み合わせで変わると説明されています。

注意点

「18.3に上げれば安くなる」とは書けません。逆に「高くなる」とも断定できません。検証中の一時環境、Blue/Greenの並行稼働、スナップショット、バックアップ保持、データ転送、Global Databaseの複製書き込みI/Oまで見積もる必要があります。

既存バージョンの延命コストも比較する

条件

アップグレードを遅らせる場合は、現行メジャー版の標準サポート期限、Extended Support、監査対応、セキュリティ修正、サードパーティツールの対応、次回アップグレード時の飛び級リスクを比較します。

評価基準

短期の移行作業だけで判断しない方がよいです。18.3へ上げる検証費用、現行版を延命する費用、次のマイナー版を待つリスクを並べると、意思決定が現実的になります。AWS費用の調査を継続的に見る場合は、<a href="https://amzn-watch.blog.mo-gmo.com/amzn-42-aws-finops-agent-preview-cost-anomaly-automation/" rel="noopener">AWS FinOps Agentプレビューとは:異常コスト調査をAIエージェント化する前に確認すべきこと</a>も補助線になります。

移行前チェックリスト

Visual18.3検証前のチェックカテゴリ本番移行判断に必要な項目と、検証環境で後から確認できる項目を分ける。
アプリケーションとクエリ

代表クエリ、遅いクエリ、バッチ、レポート、BI、ETL、接続ドライバ、接続プールを洗い出す。

データベース機能と拡張

pg_roaringbitmap、既存拡張、論理レプリケーション、パーティション、トリガー、関数の互換性を見る。

セキュリティと接続

TLS、暗号スイート、パラメータグループ、証明書、監査、古いクライアントの接続を確認する。

移行と切り戻し

Blue/Green、インプレース、スナップショット復元、バックアップ、復旧演習、切り戻し判断を決める。

費用と期限

検証環境の一時費用、I/O、バックアップ、Global Database、データ転送、サポート期限を確認する。

チェック項目は一度に完了させず、移行判断に必要なものから優先順位を付ける。

最後に、Aurora PostgreSQL 18.3の検証へ入る前に確認する項目をまとめます。すべてを一度に片付ける必要はありません。先に「本番移行判断に必要なもの」と「検証環境で後から見ればよいもの」を分けます。

アプリケーションとクエリ

確認項目

  • 代表クエリ、遅いクエリ、バッチ、レポート、BI、ETLを洗い出す
  • pg_stat_statementsとPerformance Insightsで比較対象を決める
  • B-tree skip scanやEager aggregationの影響を受けそうなクエリを抽出する
  • 接続ドライバ、ORM、接続プール、リトライ設定を確認する
  • アップグレード後に実行計画が変わる前提で、合格基準を決める

データベース機能と拡張

確認項目

  • 既存拡張とpg_roaringbitmapの利用可否を確認する
  • CREATE EXTENSIONに必要な権限を確認する
  • パラメータグループの差分を確認する
  • reg*型、prepared transaction、無効なデータベースを確認する
  • バックアップ、復元、論理レプリケーション、監査の動作を確認する

セキュリティと接続

確認項目

  • ssl_tls13_ciphersssl_groups、暗号リストを確認する
  • 古いクライアントや運用ツールが接続できるか確認する
  • 証明書検証、Secrets Manager、IAM認証、監査ログを確認する
  • ネットワーク経路、踏み台、接続プール、監視エージェントを含めてテストする

運用と切り戻し

確認項目

  • Blue/Green、インプレース、スナップショット復元のどれで検証するか決める
  • メンテナンスウィンドウ、通知、担当者、復旧手順を決める
  • 切り戻し基準を事前に文章化する
  • アラート、ダッシュボード、ログ、バックアップを移行前後で確認する
  • 失敗時に何分以内にどこまで戻すかを決める

費用とサポート

確認項目

  • 18.3のサポート期限と、現行バージョンの期限を並べる
  • Aurora Standard/I/O-Optimized、Provisioned/Serverlessを比較する
  • 検証環境の一時費用、バックアップ、スナップショット、データ転送を見積もる
  • Global Databaseやクロスリージョン構成がある場合、複製書き込みI/Oと転送費用を見る
  • Extended Supportの対象と課金開始時期を確認する

まとめ

Visual18.3への向き合い方現行環境の課題と検証準備の有無で、次の行動を選ぶ。
今すぐ検証

複合インデックス、整数集合、論理レプリケーション遅延、TLS要件、サポート期限に課題がある場合に検証環境を作る。

次の版を待つ

本番環境が安定しており、合格基準や周辺ツールの対応確認がまだなら、急いで移行しない。

現行版を延命

移行リスクが費用や性能改善を上回る場合は、サポート期限と延命コストを見ながら更新計画を立てる。

Aurora PostgreSQL 18.3は移行先の確定ではなく、既存課題に照らして検証順序を決めるための候補になる。

Aurora PostgreSQL 18.3は、PostgreSQL 18系をAuroraで試す明確な入口です。B-tree skip scan、Eager aggregation、pg_roaringbitmap、TLS/暗号更新、論理レプリケーション改善は、既存システムの課題に合えば検証価値があります。

18.3を優先検証したいケース

条件

複合インデックスまわりの検索性能に課題がある、大量の整数集合を扱う、論理レプリケーション遅延が問題になっている、TLS/暗号要件を見直す予定がある、現行バージョンのサポート期限が近い。こうしたチームは、スナップショット復元かBlue/Greenで18.3検証環境を作る価値があります。

急がず待つケース

条件

現行環境が安定しており、アップグレードの合格基準がまだない場合は、無理に本番移行を急がなくてよいでしょう。対象リージョン、拡張、クライアント互換性、監査、サードパーティツールの対応を先に確認します。

次の行動

確認項目

次にやることは、発表を読むだけではなく、検証環境を作ることです。代表クエリ、拡張、TLS、移行方式、費用、サポート期限を1枚のチェックリストにし、移行判断を「感触」ではなく記録で進めましょう。

この記事はAmazonおよびAWSの公式サイトではなく、Amazon Watch Japanによる非提携の調査記事です。商標やサービス名は各社に帰属します。掲載内容は投資助言ではなく、AWS利用やデータベース移行の実務判断を補助するための整理です。


次に読むなら

参照した主な情報源

  • AWS What's New: Amazon Aurora now supports PostgreSQL major version 18(確認日: 2026年6月14日)

https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2026/06/amazon-aurora-postgresql-major-version-18/

  • Amazon Aurora PostgreSQL updates(確認日: 2026年6月14日)

https://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/AuroraPostgreSQLReleaseNotes/AuroraPostgreSQL.Updates.html

  • Release calendars for Aurora PostgreSQL(確認日: 2026年6月14日)

https://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/AuroraPostgreSQLReleaseNotes/aurorapostgresql-release-calendar.html

  • Performing a major version upgrade – Amazon Aurora(確認日: 2026年6月14日)

https://docs.aws.amazon.com/AmazonRDS/latest/AuroraUserGuide/USER_UpgradeDBInstance.PostgreSQL.MajorVersion.html

  • Amazon Aurora Pricing(確認日: 2026年6月14日)

https://aws.amazon.com/rds/aurora/pricing/

更新履歴

  • 2026年6月14日: AWS公式発表、Aurora PostgreSQLリリースノート、リリースカレンダー、メジャーバージョンアップ手順、料金ページを確認し、初版を作成しました。